代表 伊藤 勝啓 プロフィール
- 1979年、みよし市出身
- 南山大学経済学部経済学科卒業後、岡﨑信用金庫に入庫。
- 預金課、融資課、渉外課と幅広く経験を積む。
- 渉外課時代には成績上位者に授与される理事長賞を2度受賞。
- 退職後、ファイナンシャルプランナーとして名古屋で独立。
『所属する組織の商品のみをご提案する立場』から、『複数の会社の商品の中からお客様にとってメリットの高い商品をご提案する立場』となる。【伊藤さんに出会えて良かった】の一言が私にとっての宝。
『所属する組織の商品のみをご提案する立場』から、『複数の会社の商品の中からお客様にとってメリットの高い商品をご提案する立場』となる。【伊藤さんに出会えて良かった】の一言が私にとっての宝。
生命保険を簡単にお伝えすると、亡くなった時や病気・ケガで所定の状態になった時に支払われる保険のことを言います。
略して「生保(せいほ)」とも呼ばれます。
また、民営化前の日本郵政公社の簡易保険、農協や生協の共済も呼ばれ方は違いますが、生保と同じような機能を持っています。
一般的に、亡くなった時は死亡保険、病気やケガで所定の状態になった時は医療保険やがん保険などが対象になります。ご存知の方も多いと思いますが、保険には「特約」と呼ばれるオプション機能があります。死亡保険の特約に医療保険が付いていたり、医療保険の特約に死亡保険が付いていたりすることもよく見かけます。現在ご加入されているご自分の契約を確認して頂くと、多かれ少なかれ特約が付いているのではないでしょうか?
生保は「相互扶助」という役割の上で成り立っています。困ってしまう人をみんなで助ける仕組みとなっています。これは、保険会社が「契約者」の方からお金を集め、対象になっている「被保険者」の方が所定の状態になった時にその集めたお金の中からお金を「受取人」の方にお支払いするという流れです。困ってしまうのはご自分やご家族になるのか、あるいは他人になるのかはわかりませんが、ほとんどの方はご自分やご家族が困らないように加入しているのではないでしょうか。
日本人はよく保険好きだと言われます。実際のところ、本当に保険自体が好きで加入しているかどうかは疑わしいですが、世界的に見ても加入している人が多いのは事実です。世代によって差はありますが、日本人全体でみますと80%以上の方が加入していると言われています。主要各国を見てみますと、アメリカは約50%、イギリスは約30%、ドイツは約40%となっており、断トツで日本の加入率が高くなっています。
これだけ加入率が高い生保ではありますが、多くの方が不満を抱えているのも事実です。実際に不満を抱えたお客様から私にご相談を頂くことも多いです。そもそも、日本における生命保険の広がりは、戦後に女性営業職員による募集が考案され、戦争未亡人の方の働き口として供給が豊富だったこともあり、その流れによるものだと言われています。戦争からは月日が経ちましたが、今でも大手の生命保険会社を中心に女性営業職員の方も多くみえますし、男性の営業職員の方も多いです。時代が変わっても、みなさんの周りにも保険の営業に携わっている方は多いのではないでしょうか?
ファイナンシャルプランナーである私は多くのお客様とお会いする中で、「日本人は保険好きである」という感覚よりは「日本人はよくわからずたくさん保険に入っている」といった感覚の方が圧倒的に強いです。以前の私自身もそうでしたが・・・。“よくわからず”はたまたま適切に加入できているということもありますが、診断をさせて頂くと過剰に加入していたり、不足して加入していたり、そもそもご自分のお考えと全然違う内容で加入していたりということが圧倒的に多いです。
私の考えは、『必ず加入すべきものではないが、加入すべき人は多いもの』ということです。お世話にならなければならない人とは、お亡くなりになったり、大病を患ってしまうなど所定の状態になった時に、その後、ご自分やご家族が経済的に困ってしまう人のことです。
例えば、一家の大黒柱のご主人様がお亡くなりになった場合、遺されたご家族に貯金が100万円だったとします。一般的には遺族年金が支給されるケースが多いですので、もしこのご家族が遺族年金とこの100万円さえあれば今後生活していけるのであれば、ご主人様を対象とする死亡保険はいらないでしょう。しかし、現実的には遺族年金と100万円のお金だけでは、奥様に安定的な収入がない限り生活は成り立たなくなるでしょう。このような場合にはまず、そのご家族にとってご主人様がお亡くなりになった場合には最低でもいくらの死亡保険を準備しておく必要があるのかを把握することが重要になってきます。“よくわからず”加入している方のほとんどは、「○○○○万円くらいあれば多分大丈夫だと思うので」とか「営業の人がみんな○○○○万円くらいは保険に入っていますよと言ったので」というように、明確な根拠もなく、“なんとなく”になっていることがほとんどです。
保険は目に見えない商品であるため、目に見えるものと比べてその価値観がわかりにくいのも事実です。もしかしたら、今までに保険金を受け取った経験のある方にしか真の意味での価値はわからないかもしれません。だからといって、適当に判断しても良いものでもありません。目に見えないものだからこそ、ご自分やご家族にとって必要なのかそうではないのか、また、必要であればどれくらい必要になるのか、どのように準備するのかということを慎重に判断していく必要があります。
先ほどお話をさせて頂いた通り、生保に加入する前にはまず加入する必要があるかどうかを判断する必要があります。その上で、加入することが必要であれば、何のために加入するのかを基に、選ぶ商品も変わりますし、必要な金額や期間も変わってきます。また、例えば、同じ保険金額を準備するにあたっても、お金が貯まるタイプなのか、それとも貯まらないタイプなのかによって選ぶ商品が違ってきます。つまり、何のために加入するのかという目的が同じでも、人によって選ぶ商品も変わるということです。
保険選びには正解はありませんが、より適切な選択というのはあります。例えば、老後も含めて将来的な医療に関わる保障を確保するという目的がある方が一生涯の保障が確保された商品を選ぶことは適切な選択と考えられます。その中で、保障が同じという前提で、お金が貯まるタイプなのか、貯まらないタイプなのかは同じ保障を受けられるという点では違いはありません。一方、同じ考えの方が60歳で切れてしまう保障を選ぶことは適切かといったらそうではないです。老後も含めて将来的な確保という観点からは外れてしまっているからです。そっくりこのままの内容ではないですが、私がご相談を頂く方の中にも後者のように目的と合っていない状態で保険に加入されているかたは少なくないです。
保険に加入する際には、まず良い商品を探すのではなく、「加入する必要があるのか」「何のために加入するのか」「どのように加入するのか」を明確にするところから始めると良いでしょう。
みなさんもご存知のとおり、日本国内で営業している保険会社は何十社もあります。その中で、生保会社や損保会社などに分かれてきます。お堅いイメージはあるものの、民間の会社ですので利益を出していかなければなりません。その利益はどこから得ているのでしょうか?それは主にみなさんが支払う料金からです。保険会社は料金を収入として、みなさんにお支払いする保険金をはじめ、様々な費用がかかった上で、その差額が利益として上がってきます。
みなさんもご存知のように、会社によって取り扱っている商品は似通っているものの、全く同じ商品というのはありません。全く同じ商品がないということは、料金も違いますし、似たような商品でも保障内容が違っていたりということがあります。違いがあるということは、当然、優劣もあります。もし保険に加入しようとした場合、当然、「優」の方に加入したいですよね。ただ、その「優」も色々な見方がありますので、単純に判断はできませんが、「保険会社の健全性」なのか、「月々の支払いの安さ」なのか、「お金が貯まって戻ってくる返戻率」なのか、などによって判断が異なってきます。これに関しても必ずこれが正解ということがあるのではなく、なぜその選択をするのかということを明確にする必要があるということです。
また、保険会社によって商品の性質の傾向はあります。ある会社は「保険料の安さ」を売りにした商品を揃えていたり、またある会社は「ある分野だけ他社には負けない保障内容」の商品を持っていたり、ある保険会社は「お金が貯まる機能の優位性が高い」商品に力を入れていたり・・・。
どれが正解ということはないですが、商品を選ぶ=保険会社を選ぶという形にもなりますので、まずは、ご自分が求めることが何なのかということを明確にした上で選択していくことをファイナンシャルプランナーがオススメします。